管理番号 | 中古 :35957464691 | メーカー | シャトー・コス・デストゥールネル | 発売日 | 2025/02/19 19:47 | 型番 | Z8027142107 | ||
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使用グラス:リーデル・ソムリエ・ボルドー・グラン・クリュ 14前後で抜栓・デキャンタージュ(ガラス栓はせず、解放状態にした)し1時間30分くらいおく。ラベルは新品だが、ノーリコルクの蔵出しだ。そのためコルク自体も弱くなっており、またコルクも長いので、抜栓するのに少々苦労した。特にボトルの上部に色々な香りが溜まり渦巻いているので、デキャンタージュ後、栓をせずに1時間30分位おいて置き、ゆっくりと時間を掛け、開かせてみた。ボルドーの1969は酷い評価の物が多い。だが、実際に蔵出し状態のワインを飲んだ経験のある方は非常に少ないと思う。ワインは実際に飲んでみないと分からないし、常にボトルバリエーションがあるのでいつもドキドキしながらその時のワインと対峙しています。そこがワインに嵌る要因でもあります。オールドを飲みなれていないお客様で、たまに勘違いされている方が見えます。38年経ち、綺麗な熟成をしているワインですが、2000年代の若いワインとは香り・味共に全く別な雰囲気と次元を持っています。弾けるような甘く若々しい果実味は何処にも見あたらず、執拗なまでの色々なブーケ(熟成香)が香り立ちます。それは主に、土、木材、革、ハーブ、漢方薬など様々な香りが次々に姿を現します。若々しくジャムのようなワインしか意識にない方には、ブショネとかヒネ香とか劣化した香りに勘違いされるかもしれません。しかし良い熟成をした物は、辛みや舌を刺す刺激臭が無く、長く伸びるアフターを持っています。これも抜栓した当初は、どう変化するのか気がかりでしたが、3時間位掛かって見事に変わってくれました。このボトルは見事な熟成をしていました。ただ、開かせ変化させるのに、少し注意と対応が必要です。しかしそれだけの価値は充分にありました。38年経ったワインとは思えない位に濃い色合いを持っている。実に綺麗なガーネット色を呈している。最初デキャンタージュしたときは綺麗な赤系の色合いに少し明るさを感じたが、時間経過と共に色が濃く沈んでいく。このところ飲んだ1960年代の中では一番若々しい色をしている。驚いたことにエッジに茶色をほとんど感じない。これは驚異的なことだ。様々なドライ系の花とフルーツのブーケが実にシャープに、且つ力強い執拗さを感じさせながら静かに広がってくる。口当たりは、優しく実に滑らかだ。熟成したワインのもつ素晴らしさの一つだ。そしてこれだけ綺麗に無抵抗のように広がりながら、舌にはしっかりとした肉・革系のニュアンスが絡みつき、ただ単に時間を経てきたわけでは無いことを教えてくれる。時間が経つと、色が益々綺麗なガーネットの赤を見せてきた。量が少ないと理想の変化をしないので最初2グラスに分けたワインを1グラスに統合した。まだ400ml前後残っている。暗く黒みを帯びた赤、実に綺麗なガーネット色だ。やっとと言うべきか、やはりと言うべきかは難しいが、花、果実、肉・革系、ハーブ、木材、土系のニュアンスなど様々な要素がそれぞれ我先に自己主張し、少しギスギスした感じすらあった物がしっとりと落ち着き、滑らかで伸びやかに染み渡ってくる。それぞれの要素ははっきりと分かるのに、出しゃばっていない。自分の分相応な役目に落ち着いたかのような感すらある。だって考えてみて欲しい。ハーブ、木材、土系だけで数え切れない位に複雑で豪華だ。ハーブ(黒胡椒、丁字、香菜、当帰、シナモン、オレガノ、タイム、ナツメグ、メース、ローズマリー、バーベナ、バニラビーンズ、八角茴香、杜松の実 )、木材(木材、樽香、シーダー)、土・ミネラル(コーヒー、シガー、茸、武夷岩茶、腐葉土、ヨード、森の下草、濡れ落ち葉、枯葉、湿った土、黒い土、ミネラル)、これらが時間差で次々に現れては消えていく。実に複雑で奥深く、芳しいブーケと味わいを見せながら、やがて、一つのハーモニーを奏でだしている。実に味わい深く長いアフターを伴いながら。良いシガーと同じように、実に様々な要素、肯定的なもの、それと否定的なものも含めて全部が合わさって始めてこの世界が形成される。一つバランスが狂うと、ダメな物に感じてしまうかもしれないくらいの危うさがある。最後に、このワインの前に1995のポイヤックを飲んだ。滅茶苦茶若々しく開かせるのに5回デキャンタージュした。が、最後の頃には色の差が非常に少なくなり、1969の若々しさに改めて驚かされた。熟成の素晴らしさと難しさをじっくりと時間を掛けて味わうには最適な1本だと感じました。 H19.03.03
※何分古い物のため、経年による汚れ等が若干あります。ご了承くださいませ。
CHÂTEAU COS DESTOURNEL / シャトー・コス・デストゥルネル ブリュノ・プラッツの心のこもった指導のもとで、コス・デストゥルネル(驚いたことに、コスはsを「ス」と発音するのだ)はサン=テステフのなかでは最高の評価を得るまでになった。1982年以降、ここのワインは次から次へと当たりが続いており、ほとんどのヴィンテージで、メドックで最上のワインを生産するのではないかと期待できる。このシャトーは東洋風のパゴダのような外観で、ポイヤックとの村境のすぐ北、その著名な隣人ラフィット=ロートシルトを見下ろす丘の背にある。 メドックものにしては珍しく、コスはブレンドに使うメルロの比率が高い(40%)ことと、新樽を使う比率が高い(60%から100%)ことで他と一線を画している。このメルロの比率はオー=メドックでは最も高い部類に入り、コス・デストゥルネルの最近のヴィンテージに目立つ、肉付きのよい、豊かな舌触りという個性を生み出している。 経営者であり所有者でもあるブリュノ・プラッツは、新しいワイン技術を取り入れることに関しては前衛的だ。このシャトーは、ボルドーのメジャーなシャトーのなかでは数少ない、樽熟成の前と瓶詰め前の2度濾過(ろか)処理することを金科玉条としているシャトーのひとつである。ただし、プラッツは考え直そうとしているのかもしれない。1989年の瓶詰めの前には2度目の濾過処理を省略する決定をしている。その成果はおのずと明らかである。1950年代、1960年代とモンローズの後塵を拝してきたコス・デストゥルネルは、1980年代に入ってボルドーで最も人気の高いワインのひとつとなったのである。コス・デストゥルネルは、たとえば1993年、1992年、1991年といった難のあるヴィンテージで特に成功してきたことにも注目しておきたい。 |
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844663