ブーニン／甘い思い出（ライヴでのアンコールの名演を中心にしたアルバム）

①メンデルスゾーン：無言歌集op.19～「甘い思い出」ホ長調
②メンデルスゾーン：無言歌集op.67～「紡ぎ歌」ハ長調
③リスト：夜曲第3番「愛の夢」変イ長調
④ラフマニノフ：絵画的練習曲集op.39～第９番ニ長調
⑤ラフマニノフ：前奏曲ニ長調op.23－4
⑥ラフマニノフ：前奏曲嬰ト短調op.32－12
⑦ラフマニノフ：前奏曲嬰ハ短調op.3－2
⑧ドビュッシー：喜びの島（1904）
⑨プーランク：夜想曲第1番ハ長調
⑩バッハ：チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056
⑪リスト：歌の翼に（メンデルスゾーンによる）

スタニスラフ・ブーニン（ピアノ）
指揮：アゴスティーノ・オリツィオ⑩
ブレシア/ベルガモ・フェスティバル室内オーケストラ⑩
録音：1989〜96年ライヴ

ブーニンがみずから保管していた日本でのライヴ音源の中から、11曲が選び出されて、特別に日本のファンのために発売されたアルバムです。⑩以外はアンコールでの演奏のせいかリラックスした豊かな感興に満ちたブーニンらしさの出た演奏です。

ブーニンのCDは多数出ていますが、今まで未収録の素晴らしい曲集です。1番のオススメ派「歌の翼に」今から約15年くらい前、NHKのテレビリサイタルで収録したビデオが手元にはあったのですが、CDだと臨場感が全く違います。最高の仕上がりなのでぜひ聴いていただきたいです。ピアノ版をブーニンが弾くととても感動的です。次に「愛の夢」、ボレットやティボーデを凌ぐほどの演奏です。彼ら２人とは全く違い、少しテンポを細切れにして、感情もやや抑え目、しかし指の動きのシャープさと、そこから泉のごとく湧き出てくる優しく高貴な音色。もう唸りっぱなしです。プーランクの「ノクターン１番」は知る人ぞ知る名曲。ロジェの演奏も有名ですが、ブーニンのなんとシャープでロマンチックでエレガントな仕上げ方。バッハのラルゴは伴奏付き、バッハだけの版と趣きが全く違います。喜びの島もやはり切れがありシャープ。きりがないのでこれ位にさせて頂きますが、ブーニンファンだけでなく、クラッシク・ファンに広くお薦めできる最高の一枚です。

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