管理番号 | 中古 :35957399796 | メーカー | 木枯し紋次郎 | 発売日 | 2025/02/23 05:02 | 型番 | Z5194624724 | ||
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レビュー すぐれた時代小説はそのまま現代小説である、というのはよく言われることだが、時代劇ドラマもまたしかり。もっとも、本シリーズの放映が始まった72年の1月1日、筆者は12歳で、このドラマに原作(笹沢左保)があることなどまったく認識していなかった。市川崑という監督(厳密にはシリーズ全体の監修と1~3、18話の監督)の名もむろん。それでも、子供心に、ほかの時代劇(『水戸黄門』など)とは違う、同時代感覚にあふれたドラマとしてとらえていたことは事実だ。今なら、60年代末の学園闘争が収束し、運動が陰惨な内ゲバ抗争と化した時代のニヒリズムが紋次郎というキャラクターに反映している、とわかったふうなコトを言えば言える(連合赤軍あさま山荘事件が起きたのは本作8・9話放映時の72年2月下旬だった)が、12歳の田舎の中学生には、画と音そのものからのインパクトがとにかく強烈だった。浪人旅人というよりはルンペンというべきうす汚い身なり、潔くも貧しい食生活(めしと汁と焼き魚とたくあんを全部一緒くたにして10秒でかっこむ!)、終始口にくわえたままの15cmもの長い楊枝、寝たり転んだりぶつかったりのワイ